
1998年2月の創業以来、株式会社ミクシィをはじめ、数多くのベンチャー企業の投資・育成にかかわり、お陰様で今年で創立10周年を迎えることができました。2006年8月には、東証マザーズへの上場を果たし、昨年は次世代産業においてもイノベーターであり続けること(next generation innovator)の決意を込めて「ngi group株式会社」へと社名も変更致しました。また、組織再編、ガバナンス強化と経営基盤強化に抜本的に取り組み、まさに第二の創業と呼べる大きな変革の年だったと思っています。そして今年、当社はグローバルな市場におけるnext generation innovatorを目指し、さらなる変革を展開してまいります。
当社では、昨年、委員会設置会社に移行し、社外取締役により構成される監査・指名・報酬の各委員会のもと経営のチェック体制を整え、新興企業の信頼回復のためにも率先してコーポレートガバナンスの強化・徹底に努めてまいりました。
社外取締役には仮屋薗聡一(グロービスキャピタルパートナーズ・パートナー)、北城恪太郎(前経済同友会代表幹事)、前刀禎明(前アップルコンピュータ社長)、中山かつお(公認会計士)といった国際経営経験や専門知識の豊かな陣容によって経営の監視・チェックおよびサポートを行っております。
内部統制システムと情報セキュリティシステムの構築に関しましては、当社の最重要課題の一つと認識し、専門担当部署に加え、外部の専門コンサルタントを採用し、プロジェクトを遂行してまいりました。具体的には、当社グループは当連結会計年度より、企業集団で内部統制報告制度の対象となることを踏まえ、内部統制システム、いわゆるJ-SOX法対応の整備を前期中完了させており、今後一層の財務報告の適正性の確保、情報セキュリティの向上、個人情報の保護、リスク管理等の体制を整備し、内部統制の強化を図ってまいります。情報セキュリティシステムに関しましても、国際標準規格に準拠した情報セキュリティマネジメントシステムの構築と徹底を進め、平成20年3月、国際規格である「ISO/IEC 27001」を取得することができました。更に、組織・人事改革とともに経営情報システム(next-1)の構築を完了し、経営インフラの整備が順調に進んでおります。
当社では、グループにおける事業を、アジアでの投資事業や次世代インターネットサービスへの積極的投資といった、当初は損失を計上するもののその後飛躍的な成長が見込まれる「成長事業」、安定収益を稼ぐ「安定事業」、グループ内外においてインキュベーションのサポート役としてシナジー効果をもつ「ファンクション事業」という3つの事業ポートフォリオに区分しています。この観点から、昨年以来、組織・人事の大幅な見直しを行うとともに、本社および主要子会社の合併による統合等を決議し組織再編を遂行してまいりました。
こうした経営基盤の整備に注力し守りを固めた08年3月期を経て、今期は攻めに転じます。

昨年度は、米国での株式暴落に始まり、原油高も相まって、米国、日本の経済が非常に厳しい状況で始まりました。OECDの発表している経済観測では、米国の実質GDP成長率が昨年は2.2%だったものが今年は2.0%まで下落し、日本においても、07年は1.9%だったものが今年は1.6%まで下落すると厳しく予想されています。
一方、中国はGDP成長率が10%前後、ベトナムでも7%を超える成長率を予測しており、新興国においては依然成長のスピードが衰えません。当社では、アジアの成長を収益化することを掲げ、中国・ベトナムを中心としたアジア事業への進出を重点戦略の一つとしていますが、マクロに見ますと、成長が減速している領域から成長領域へのシフトは自明の理と言えるでしょう。
その観点から、ここ数年、私自身が毎月のようにアジア各地を訪問し、現地担当責任者とともに事業開発と基盤構築に勤しんでいます。今年はそれらをさらに進め、グローバル企業として飛躍することを目指します。
中国においてはすでに10社以上のベンチャー企業に対し10億円以上の投資を実行し、企業育成を行っておりますが、我々が創業出資した上海基億伝媒有限公司は、北京大学、清華大学が選定する2007年度「中国最有力ベンチャー企業10社」に選ばれ、企業価値も1年で4.5倍に向上するなど当社が日本で培ってきたインキュベーション実績が中国でも通用することを証明しております。
ベトナムにおいても、経済成長とともに成長している広告企業にリードインベスターとして資本参加しておりますが、同社は急成長し、既にベトナムの広告業界においてトップ5の一角に食い込んでいます。また、当社グループのシステム開発のベトナムへのオフショア化も推進し、開発の効率化、コスト削減にも積極的に取り組んでおります。その他、ハノイ工科大学と提携し、日本語、IT教育のサポートやインターンシップの受け入れなど人材育成・交流にも力を入れております。IT立国を目指すベトナムにおいてもngi groupのプレゼンスを高めて行き、事業拡大を加速させます。
この急成長する中国、ベトナムを中心とした「アジアの成長を収益化する」戦略は今年の最重要テーマの一つです。
今年は日本経済の動向にとらわれることなく守りを固め、飛躍の年、勝負の年として、攻めに転じたいと思っています。

2008年3月期は、07年5月10日に発表した増収減益の期初予想に対して、売上高が約30%増、営業利益が165%増、当期純利益が47%増の実績となり、営業利益ベースで増収増益を達成することが出来ました。
主な要因としては、上場株有価証券の売却が想定株価を上回る水準で実施できたことに加え、当社の投資先である未上場株売却によるキャピタルゲインの獲得、更には(株)フラクタリスト、(株)RSS広告社を中心とするインターネット関連事業の堅調な推移等があげられ、今後の収益拡大に繋がると考えております。
更に当期は、選択と集中による事業再編等と様々なコスト削減策を実施した一方、内部統制システムや情報セキュリティシステムの構築などについては積極的に投資を行う等、経営基盤を一層強化し、新たな成長に向けた一年だったと認識しています。
今後も、経営資源の有効活用を念頭に事業の成長・拡大と株主価値最大化を図ってまいりますので、株主・投資家の皆様におかれましては、より一層のご支援・ご高配を賜りますようお願い申し上げます。



